私が持っている連鶴関連の書籍の紹介です。
数えたら7冊持っていました。購入した順に、感想等を述べてまいります。
購入を迷われている方の参考になれば幸いです。
折り鶴 – 美しい伝統芸術・鶴の折り紙・千羽鶴折形
自分が人生で初めて手にしたレディブティックによる連鶴の本です。
余計な部分は切り落とす方法で解説がされています。
一つ一つの作品が綺麗なだけではなく、それぞれの作品に銘(タイトル)と狂歌(五七五七七の和歌)が添えられていることに、総合芸術のように思えて感動したことを覚えています。
秘伝千羽鶴折形に載っている順番ではなく、難易度順に作品が並んでいます。
色々な千代紙で作成されており、また、写真も綺麗に撮られているので、使用する紙選びや写真の撮り方の参考にもなりそうです。
また、それぞれの作品について連鶴を制作された方の名前があるので、制作者の名前で検索して他にどんな作品を作成されているのか調べるのも楽しいと思います。
作り方の解説だけではなく、秘伝千羽鶴折形や魯縞庵義道の解説も少しあり、狂歌も載っています。(ただし、狂歌の解説はありません)
マイナスポイントを挙げるとすると、
- 秘伝千羽鶴折形の作品だけではく、制作者のオリジナル作品も最後に少し載っているので、それも秘伝千羽鶴折形にあのかと勘違いしてしまうこと
- 秘伝千羽鶴折形の解説で魯縞庵義道については言及されているのですが、秋里籬島の解説が一切無いので、狂歌も全て魯縞庵義道が一人で秘伝千羽鶴折形を作成したと勘違いしてしまうこと
つなぎ折鶴の世界 – 連鶴の古典『秘伝千羽鶴折形』
上記のレディブティックの本により、秘伝千羽鶴折形の存在を知り、狂歌の意味を知りたいと思いました。
そんな時に購入した岡村昌夫先生の本です。
今現在、新品で購入できる連鶴の本の中では狂歌の解説が一番されているように思います。
秘伝千羽鶴折形の中に添えられている狂歌の意味や、本歌取りされている狂歌は元の歌の説明があります。
また、秋里籬島が女性の名前で発行した事等、銘や狂歌の解説以外にも詳細な解説がされています。
折り鶴に関するコラムも随所にはさまれていて、何回読んでも新しい発見がある本です。
秘傳千羽鶴折形 復刻と解説
日本折紙協会による大型の本です。
秘伝千羽鶴折形の復刻版の複製本もついているので、当時の雰囲気を味わうことができます。
大型の本だけあって、解説が細かいです。
狂歌の前後のつながりの意味ついての解説もあります。
秘伝千羽鶴折形そのものの解説だけではなく、版元の解説や折り鶴にまつわる歴史の解説もされています。
かなり研究者向けな本でもあるような気がします。
連鶴資料集 -魯縞庵義道と桑名の千羽鶴-
桑名市博物館による資料集です。
連鶴の折り方の解説は一切ありません。
そして、この本の中には素雲鶴の写真が載っています。
ここまでに紹介した岡村先生や日本折紙協会の本が発行された時は素雲鶴が見つかっていなかったので、魯縞庵義道がどうやら素雲鶴というものを残していたらしい、という解説だけだったのですが2014年に見つかり、この本の中でも公開されました。
素晴らしい…
桑名市博物館が編集されたこともあって、桑名の魯縞庵義道にまつわる資料の写真もたくさん載っています。
桑名の千羽鶴 – 一枚の紙から数羽の鶴を折る『秘伝千羽鶴折形』より
桑名の千羽鶴を広める会、大塚由良美先生による本です。
秘伝千羽鶴折形の連鶴の折り方の解説と、狂歌の解説が少しされています。
また、秘伝千羽鶴折形の最初の方に書いてある前文のような箇所の解説もけっこう詳しくされています。
他の連鶴の解説書と比べるとお求めやすい価格であることと、本のサイズも大きくないので持ち運びやすいです。
桑名の千羽鶴
こちの本も大塚由良美先生による本で、先ほどの「桑名の千羽鶴」がより詳しくなった大型の本です。
素雲鶴の作品も5つ紹介されています。
千羽鶴折形
笠原邦彦先生による本です。
自分が持っている連鶴の本では一番古い本です。
余計な部分は切り落とさない原案通りに忠実な作成方法で解説がされています。